大通公園に設置されている『ブラック・スライド・マントラ』は、
彫刻家である故イサム・ノグチさんが最晩年に手がけたものでもあります。
1988年末に亡くなったノグチさんはその年の5月から11月にかけて、
後の札幌に完成するモエレ沼公園の設計にあたりました。
ブラック・スライド・マントラは、
このモエレ沼公園と札幌市中心部を
結びつけるという役割も持ったものとなっています。
彫刻としてはよじれた形をした奇妙なものにも見えますが、
滑り台として子どもたちもじかに触れたり上ったり、
当然滑ることもできます。
体感することによって理解を深めることができ、
ノグチさんも子どもたちに遊ばれることで
『完成』するとしていました。
実際に安定性があり、耐朽性にも優れている
アフリカ産の黒花崗岩が使用されています。
また、不思議な形状は子どもだけでなく、
大人をも惹きつける魅力を持っています。
なかなか目撃はされないものの、
ひそかに滑っている方も少なくないようです。
向かって裏側に穴があり、そこから内部に入って
階段をのぼって滑るようになっています。
その角度は結構急なものになっていてスピードも出るのですが、
安全に停まるようになっているところはさすがです。
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